『やめてお願い引っ張らないで』

マダムケイコたちの聴いてもらいたいひとり事をちょこっとご紹介します!
<やめてお願い引っ張らないで>

下記で「聴いてもらいたいひとり言」を音声にてお楽しみいただけます。
やめてお願い引っぱらないで

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<<本文>>
それまで存在していなかった 大きな物体が
ある日を境にして、家の中心に居座るようになります。
定年退職。お疲れ様のダンナさま。
長い間頑張ってくれたから、しばらくのんびり休んでね。
なんて優しい気持ちも、ほんのつかの間。
現実は、やはりうっとうしい。
カサバルだけではありません。
用事を言いつける。文句をたれる。
なんと言っても、妻の行動を監視する。
私が出かけようとすると・・・
「どこ行くねん」
「誰と行くねん」
「なにしに行くねん」
「いつ 帰ってくるねん」
そんなに「ねん、ねん」と聞かれても・・・10時からご近所の、山田さんと鈴木さんと山下さんと4人で映画見て
その後ランチ食べて・・・たぶんランチは中華にすると思うわ。この前和食やったから。それから、山田さんと鈴木さんは韓国語のレッスンに行きはるけど、私と山下さんと2人で、友達の写真展見に行くねん。
たぶん5時には帰ってくるから、夕飯には間に合うと思うけど。
アッそや、お昼は冷蔵庫にラップして入れてあるやつ『チン』して食べといて。」
と私は一気にまくしたて、カバンを持ち玄関を飛び出していくのです。夫の声が追いすがってくる前に。

その昔、「今日何時に帰ってくるのん?」と尋ねる私に、
「そんなん、わかれへん」とそっけない返事しか返してくれなかった夫に、私はなんと丁寧に答えていることか。
夫よ、待つものの気持ちが分かりましたか!